2006年10月29日(第1752号)
偽装請負とは何か、そのもとで労働者はどう苦しめられているのか——。十三日の参院予算委員会での質問で、日本共産党の市田忠義書記局長は、そもそもから政府に問いただしました。浮かび上がったのは、労働者を食い物にした驚くような実態です。
派遣・請負とは 派遣とは、派遣会社が他社と契約を結んで労働者を「貸し出す」形態です。派遣先の企業が派遣期間内であれば雇用責任を負わずに労働者を指揮し、使うことができます。派遣先企業は、労働者にたいして労働安全衛生にかかわる使用責任が生じ、さらに労働者の派遣期間が一年(二〇〇七年三月からは三年)を超えた場合には労働者を直接雇用する責任を負います。 一方、請負とは、請負会社が発注元企業から業務の一部を任されて完成させる働き方です。労働者にたいする雇用責任を負い、労働者を指揮するのは請負会社。派遣と違って発注元企業は指揮できません。 問題は、こうした派遣、請負がなぜ広がるのかです。市田氏は、パネル(図)を示して、その背景を明らかにしました。 製造業者にとって、労働者を一人雇えば年金、健康保険料の福利厚生費を含めると時給で約三千五百円がかかります。 これに対し、派遣会社から派遣してもらう場合は約二千五百円ですみます。受け入れ先の製造業者には約千円のもうけが発生するわけです。では、派遣会社はどうか。労働者に千円しか払いません。これによって、派遣会社にも千五百円のもうけが発生します。 つまり、受け入れ先の製造業者と派遣・請負会社の双方にもうけが出るのが派遣、請負です。厚生労働省のアンケート調査では、大半の企業が派遣、請負を使う理由に「人員をすばやく調整できる」「費用が割安」をあげています。 こうした仕組みを悪用し、実際は派遣なのに請負を装い、受け入れ先企業の負担を軽減することで、実績をあげようとするのが偽装請負です。 市田氏は「自分の工場に働いている人間に対して何の責任も負わない。ただ、部品のようにモノのように働く人を扱って恥じない、これはモラルハザード、ローハザードの極みだ」と労働者の思いを代弁しました。 もともと労働者派遣は、戦前、これによって労働者が劣悪な環境におかれていたことの反省から、職業安定法で禁じられてきました。 自民党政治は、一九八五年に労働者派遣法を制定したのをはじめ、労働法制の規制緩和を相次いで実施してきました。〇四年には、それまで禁止されていた製造業への派遣を解禁しました。 市田氏は偽装請負増加などの背景に「企業の要求だけではなく、政府の後押しがあった」と強調。人間らしい働き方のルールの確立、いまあるルールを厳守させることこそ「政治の責任だ」と訴えました。 子どもたち・私たち 日本の未来がかかった、たたかい 10 ・ 14 大集会 教基法改悪案を廃案に、2万7千人の声響く 「教育基本法改悪法案をみんなの力をあわせて廃案に追い込みましょう」の訴えに二万七千人の大きな拍手と「よーし」の声が響き渡りました。「教育基本法」と書かれたハートの形の風船やビニール傘、むしろ旗が揺れます。「10・14教育基本法改悪反対大集会in東京」(実行委員会主催)が十四日、東京・明治公園で開かれました。 安倍政権が狙う臨時国会での教基法改悪の強行を許さないと、開会二時間前から公園入り口は入場の列が続きました。埼玉・上尾市の障害児学校教員(34)は「これだけの人が集まってびっくり。職場でこの集会のことを伝え、障害児教育は教基法があってこそと語り合いたい」と声が弾みます。 乳母車を押しながら千葉市の民商会員(32)は「わが子の未来のためにも、子どもたちを競わせようとする安倍内閣から、教育を守ろうという気持ちがわきました」。そろいのピンクのスカーフで三百人が参加した都教組北多摩東支部の磯崎四郎委員長(53)は、「支部としてかつてない参加。集会を力にさらに行動を強めていきたい」と意気込みます。 都教組の中山伸委員長が開会あいさつし、全労連の坂内三夫議長が「教基法改悪案は憲法違反。子どもたち、私たち、日本社会の未来がかかったたたかいに力をふりしぼろう」と訴えました。 各界から評論家の佐高信氏、東京・国立市の上原公子市長があいさつ。日本共産党の志位和夫委員長が国会情勢を報告し、社民党の福島瑞穂党首のメッセージが読み上げられました。 母親や障害者、宗教者が次々とリレースピーチ。小学校二年生を担任する教員が「どの子も自分の生き方を決める権利があるんです」と訴えると、ひときわ大きな拍手に包まれました。集会後、新宿など三コースに分かれてデモ行進しました。
「周辺事態法」発動は安保理決議に反する 外交努力に心血注げ CS放送で志位委員長が批判 日本共産党の志位和夫委員長は十七日、CS放送・朝日ニュースターの番組で、北朝鮮の核実験問題での国連安保理決議を受け日本政府内で「周辺事態法」の発動が検討されていることについて「こんどの安保理決議は、非軍事(の措置)、『兵力の使用を伴わない措置』(国連憲章四一条)で問題を解決するというのが趣旨であり、その時に『周辺事態法』という日米が海外で軍事共同する法律を発動するというのは、この安保理決議に真っ向から反している」と批判しました。 志位氏は、今回の安保理決議について、非軍事の措置を規定した「(国連憲章)第四一条に基づいて措置をとる」と明記し、「(加盟国が)外交努力を強め、緊張を激化させる可能性があるいかなる行動も慎み」、北朝鮮が核問題をめぐる六カ国協議に即時無条件に復帰するよう強く求めたものだと強調しました。 一方で、「周辺事態法」は米軍と自衛隊が海外で軍事的な共同をするという枠組みであり、「船舶検査」だけではなく、実際に戦闘行為に乗り出した米軍に対し自衛隊が補給や輸送などの兵たん支援をおこなうものだと指摘。「軍事の共同の枠組みを、こんどの安保理決議を『根拠』にして発動するのはまったく間違っている」「(『周辺事態法』の発動は)安保理決議が『慎む』ように求めている『緊張を激化させる』メッセージを日本側から出すことになるわけで、厳に慎むべきだ」と述べました。 さらに志位氏は、北朝鮮が対抗措置をとるとしていることについて「せっかく非軍事の措置、外交的・平和的に解決しようという安保理決議が全会一致であがったにもかかわらず、それに逆行する措置によって軍事対軍事のエスカレーションが起こって事態が危険な方向にいくというのは、いちばん避けなければならない」と批判しました。 志位氏は「(政府は)外交努力によっていかに事態を前向きに打開していくかというところにいちばん心血を注ぐべきだ」と主張しました。
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